社宅制度によって企業にもたらされるメリット

住まいに関する福利厚生の1つとしてあげられるのが社宅。これは企業が従業員に対し、通常の相場よりも安価で住まいを提供するシステムです。企業側にとってのもっとも大きいメリットは、従業員の満足度を上げられる点でしょう。社宅を利用することで実質給与が上がり、それが働くモチベーションにもつながります。

また、社宅ありという条件は採用面にも大きな効果を発揮します。これから結婚や子育てなどライフステージが変わっていく従業員にとって、住まいが保証されているのは大きな魅力。それだけでなく、社宅を利用することで浮いたお金を貯め、そのお金で将来的にマイホームを購入するといった人生設計を立てることも可能です。その他、社宅があれば地方出身者でも勤務地の選択肢が増えますし、転勤の際も住まいが保証されているだけで従業員の抵抗感を和らげることができるなど、社内の人員をスムーズに動かしやすくなります。

そして社宅は会計面でもメリットがあるといえます。なぜなら、福利厚生費として経費に計上することができるからです。家賃などを補助する住宅手当を支給する場合、社会保険料は企業と従業員で折半するためどちらの負担も重くなってしまいますが、社宅であればその影響もありません。また、自社で物件を持つ社有住宅の場合、会社に資産が残るというメリットもあります。稼働率の高い社宅は優秀な不動産資産です。

社宅は一般企業だけに限らず、医療機関などでも用意されることが増えてきました。「社宅あり」をアピールポイントにしている看護師求人は、ナースエクスプレスというサイトで見ることができます。このサイトを見てみると、社宅を用意している施設の求人数が多いことが分かるでしょう。医療業界は人材不足が問題となっている看護師などの定着率を上げるために、こういった福利厚生に力を入れているのです。もちろんただ単に社宅を用意するだけではなく、従業員のライフサイクルや現在の住まいのトレンドなどを取り入れ、時代に合わせた制度設計を行う必要があるのではないでしょうか。