保育園は、子供の健全な発育のために、栄養管理の行き届いた食事のみを提供するということが、「児童福祉法」によって規定されています。そのため、認可保育園では、利用定員が20人以上の場合は調理室、利用定員が19人以下の場合は調理設備を設けることが義務付けられています。それだけではなく、厚生労働省から保育所における食事の提供ガイドラインも出されているため、それに沿った給食提供が求められます。
とはいえ、給食の提供には、多大なコストと手間がかかりがちです。そのため、現在では保育園給食を外部に委託するところが増えています。
保育園給食を外部委託するメリット
それでは、外部委託のメリットを紹介します。
【人件費、食材費の削減】
もし、自園で給食を運営する場合、施設や学校法人が直接雇用するためメリットがあるように見えます。しかし、運営するためには、それだけの人材と、食材費も必要不可欠です。特に人材については、従業員1人ひとりに福利厚生と給与が必要になります。採用、退職の際には事務手続きも必要になり、事務処理に手間がかかることも考えなくてはなりません。
外部委託にすることで、事務処理の手間が省けるだけでなく、人件費の削減にも繋がります。契約の内容によっては、食材費も削減できるため、全体のコストを考えると、大幅に削減することができます。
【採用、人員の調整が不要】
栄養士や調理師は、高齢者施設などでも必要とされているため、人員確保が難しく、採用活動にも時間とコストがかかってしまいます。もし採用したとしても、何等かの理由で退職してしまえば、再び採用活動を行わなければなりません。採用活動をするたびに面接をして、となると事務の負担が増えてしまいます。
また、体調不調で欠員が出た場合、穴を埋める必要があります。代わりの人が出勤できるかどうかがわからない、そもそも他に出勤できる人がいない時もあるでしょう。とはいえ、休めない雰囲気の職場になってしまっては、退職者が相次ぐ原因にもなりますので、難しい点です。
外部委託では、人員の確保や欠員の補充まで全て行ってくれます。そのため、給食のことは、何も心配せず、子供たちに向き合える、というわけです。
【子供たちが楽しく食事ができるような工夫をしてくれる】
委託会社は、栄養管理だけでなく、子供たちが給食を楽しんでくれるようにと工夫をしてくれる場合があります。
例えば、保育園をはじめとした様々な施設で給食を提供している委託会社があります。
ここは、子供たちの栄養だけでなく、職員とのふれあいができるような給食を提供してくれます。園児が楽しめるような、キャラクターを模した可愛らしい給食の提供。定期的な食育イベントの実施。地産地消メニューの提供。ただ食べるだけでなく、子供が関心を持てるような、給食を提供するだけにとどまらない活動も行ってくれます。
このように、給食を外部委託することは、保育園の運営にも、子供たちにもよい影響を与えてくれます。自園のためにも、子供たちのためにも、給食を外部委託にしてみてはいかがでしょうか。